軸流ファンは羽根車の強度や騒音などの理由から、羽根車外径の周速が速いと遠心ファンに比べて騒音が大きくなります。
最近の軸流ファンの動翼やガイド翼は調整可能なものが多く、取り付け角度を調整することができます。これにより、動作条件の範囲が大幅に拡大するだけでなく、さまざまな動作条件下での効率も大幅に向上します。そのため、遠心ファンに比べて使用範囲が広く経済的です。特に近年は可動翼調整機構の採用に成功し、大型発電所(80万kW以上)や大型トンネル、鉱山などの送風・換気装置で軸流ファンの採用が進んでいます。さらに、軸流ファンは工場、建物の換気、空調、冷却塔の換気、ボイラーの換気、化学工業、風洞の風源などでも広く使用されています。
単段軸流ファンの総圧力効率は 90% 以上に達することができ、拡散シリンダーを備えた単段ファンの静圧効率は 80% に達することができます。一般に、軸流ファンの圧力係数は低く、-p <0.3 です。また、流量係数-Q=0.3~0.6となります。単段軸流ファンの比回転数snは18~90(100~500)です。近年、軸流ファンは徐々に高圧化が進んでおり、デンマークのVARIAx可動翼調整軸流ファンを備えた日本の発電所では、その全圧力が14210Paに達しており、多くの大型遠心ファンが軸流ファンのトレンドに取って代わられています。